手作りソーセージに挑戦したがうまく出来ない。
考えていたものが作れない。などとご不満を感じることはありませんか。
挽き肉とスパイスを混ぜただけのまるでハンバーグのアニキかイトコみたいな充実感のない手作りウインナーしか出来ない。
数あるサイトの手作りソーセージのレシピや説明書どおりに作ったけれども、うまくエマルジョン(細挽きの練肉)にならず、ボロボロ、ボソボソした口当たりの悪いものしか出来ない。
手作りハムや手作りベーコンに比べると自家製ソーセージ作りは難しいと感じている。
これらはよくある話です。
ソーセージのおいしさは、肉本来の持つ旨みとスパイス、脂、水分など渾然一体とし、醸し出す熟味や独特の口当たりのよい食感がもたらすものです。
これらは、練肉(エマルジョン)のソーセージ生地がうまく出来るかどうかが大きな要素です。
それでは、家庭や趣味の段階の手作りソーセージで実現することは、そもそも無理なのでしょうか?
そんなことはありません。少しの工夫と準備、ちゃんと働く道具があれば、安全でトレーサビリティーのある充分においしいソーセージや、素材、アレンジにこだわったご自慢のすばらしいソーセージが出来ます。
プロはサイレントカッターなど効率のよい機械を使い練肉にしますが、家庭にある近い道具と言えばフードプロセッサーです。
ただ、工夫と準備をせず通常の使い方をすると失敗し結着力のある練肉は出来ません。
それでは作り方の前に、重要なポイントと失敗の原因となったと思われる点を事前にチェックしておきましょう。
自家製ソーセージ作りの重要なポイント
- ソーセージの加工中の肉温上昇は大敵、脂肪が分離し失敗の最大の原因であると共に衛生上の観点からも注意が必要。
- 家庭用のフードプロセッサーで肉を細かくする場合、通常以上の負荷がかかると同時に回転による原料の粒子間の衝突や摩擦による熱発生もあり、雪氷を加えたとしても想像以上に原料の温度上昇が急である。
これらのポイントを念頭にソーセージの作り方をチェック
- 加工中の肉温 (目標10℃以内) 上昇を防いでいますか?
- 使う道具は予め冷やしていますか?
- 手の体温が直接影響するような道具や器具を使っていませんか?
- かえって労力や手間がかかり温度上昇を招くような頼りない簡易な道具や器具を使っていませんか?
- フードプロセッサーで原料肉を小口切りから一気に練肉にするような乱暴な加工をしていませんか。(能力300W相当のプロセッサーでも温度上昇で失敗します。)
- フードプロセッサーで練肉にする際、一定量の雪氷(原料のうち水分にあたる量)を加えながら温度上昇を防ぎながら加工していますか?
チェックが済んだら少しの工夫と準備
1)プロセッサーによる練肉(エマルジョン化)の処理時間を可能な限り短くし温度上昇を防ぐ。
- 雪氷を除くスパイス等を原料肉と予め完全にミックスしておく。ミートミキサーがあれば手早く便利です。
- 原料肉を予めミートグラインダー(5mm程度)で挽いておく等して、希望する練肉までの到達時間を減らす。
- ミックスした原料肉を小分け(300g~400g)にして処理を分散し1回あたりのプロセッサーの負荷と処理時間を減らす。
- 小分けに加工した原料を手早く完全にミックスし一つの生地とする。ミートミキサーが便利。
2)プロセッサーによる練肉加工中に発生する熱を抑える。
- 上記の肉挽きミックス済の小分けした原料は、直前まで半冷凍状態(パーシャルフリーズ)にしておき、原料自体の温度を加工に支障のない範囲で予め極力下げておく。
- 一定量の雪氷を小分け(原料肉の小分け分に応じ)にして用意し処理1回ごと適量を加える。
これだけやっておけば、もう大丈夫です。経験的には、丁度よい練肉(エマルジョン)の仕上がりまで8℃以内で終わることができます。ぜひ一度トライしてください。
基本のソーセージ生地の作り方の詳細は過去の記事、ウインナーソーセージ(エマルジョンタイプ)の作り方を参照してください。
この生地をそのまま羊腸へソーセージスタッファーで充填し、軽く燻煙し、ボイルすると本格的なウィンナーソーセージになります。
つなぎ等を使わない本来のエマルジョンタイプのウインナーですので、きっと従来にない満足感とおいしさを与えてくれます。
さらに、ソーセージスタッファーがあると、このソーセージ生地を基本としてボロニア、モルタディラなどの太物、ビアシンケン、ヤクートブルスト、クラコウなど世界の伝統的で様々なソーセージや地元の特産品などを使ったすばらしいスローフード作りへ楽しみとレパートリーが広がります。
以下のレシピも参考にどうぞ!
ビアシンケンの作り方ヤクートブルストの作り方
先日「もくもくファーム」というところで
手作りソーセージつくりを体験してきました。
その行程の肉を混ぜるところで氷を混ぜ込むことをしたのですが、
なるほど、そういうことだったんですね。
色々と勉強になります。(^-^)